〒411-0821 静岡県三島市平田185-31
さて、やっと寒くなってまいりました。寒くならないと商売あがったりだよ!・・・と言ってはいけません。
実は最近知ったのですが、現在は北極と南極に氷河があるので氷河期であり、地球は氷河が無い温室期を行ったり来たりしているそうです。なので現在は氷河期が終わり、温室期に移行する途中なんだそうです。『地球温暖化』って嘘なんですかね・・・。
今日は、恐らく今年の冬はとても寒いそうなので、インフルエンザが蔓延すると思うのです。なので、コロナに然り、インフルエンザに然り、それ以外のウイルス感染症による上気道炎に然り、リウマチ患者さん達には注意して欲しいので投稿します。
さて、当院は外来診療のみ行うリウマチ膠原病を専門とする施設です。当院の患者層の80%がリウマチ膠原病系と、リウマチと整形外科疾患との鑑別の為の初診の患者さんの診察です。
リウマチの治療には、免疫抑制剤や生物学的製剤を使用します。免疫が下がるのだから肺炎にならないのか、大丈夫か、と心配になる高齢者が多い地域だと思っております。結論からいえば、端的にいって大丈夫です。
勿論注意が必要です。食欲が無い時、熱が出ている時はメトトレキサート(リウマトレックス)を必ず中止する。ここを間違えない事なのです。間違えたら薬の血中濃度が上昇して免疫が低下し、感染症を引き起こしやすくなるからです。パンフレットを渡して説明した通りです。
ニューモシスチス肺炎について説明しても、皆さんは「?」というお顔をされます。このブログを診ている方は、ネットで検索してください。リウマチ診療で一番怖いのはこのニューモシスチス肺炎です。しかし、当院では予防投与としているため、開業以来数件のみの発症で済んでいます。これは凄い事の筈なので、驚いてください。
基本方針として、私の頭の中では年齢と免疫抑制剤の投薬量の掛け算が出来ており、「この年齢の方で、この肺疾患を持っている方には、これくらいの投薬量でないと肺炎を繰り返すことになるな~」、という算段が整っています。私は元々都内のリウマチ膠原病診療で有名だった大学病院に勤務していた医師なので、外来患者さんも普通の大学病院のリウマチ膠原病科とは比較にならない人数を若い頃から診療してきたので、スキルがあるのです。
(偶に、私の事を英語が読めないだろう、大学病院より格下だろう、偉そうなんだよ、という人がおりますが、当院での治療は有名大学病院と同レベルの治療を、J大学病院、Iセンターよりずっと少ない診察待ち時間で提供しております。)
高齢患者さんに無茶な量の投薬は絶対にしませんし、なにかきっかけあれば薬は減らしていく方向に診療をすすめますので、処方内容はずーっと同じではありません。
しかし、どうしても避けられない肺炎があります。それは男性患者さんの、上気道感染症後に突然出てくる『リウマチ肺』です。女性も気づいたら肺に出来ている事がある方が稀にいます。多くの女性リウマチ患者さんは肺内非定型抗酸菌症のほうが頻度が高いかと思います。後日記事を投稿します。
リウマチ肺には、開業し、もうすぐ9年となりますが、ずっと泣かされています。特に2020年コロナ禍以降、1年に1人以上は急変し、県内外の施設に入院させて貰っています。亡くなった方もいらっしゃいます。
このリウマチ肺、ってなんだ?という話ですが、リウマチ肺とは、関節リウマチに発症する膠原病肺、間質性肺炎です。
外来で間質性肺炎?関節性肺炎?はあ?と聞かれる事がしょっちゅうあります。間質性肺炎とは、関節リウマチの節外病変(関節炎以外の合併症)の中で一番多い病変です。肺の間質の壁が固く肥厚し、繊維質が多くなるため、呼吸がしづらくなる病気の総称です。
間質性肺炎の症状としては、空咳(痰のでない咳)が有名です。しかし、実際は空咳よりもっと知ってほしい情報があります。
・風邪のあとに起こる、いつもより一層強い倦怠感
・風邪が治ったのに、いつもより食欲が出ない、元気になれない
倦怠感、食欲不振と言われても皆さん「?」と思うかもしれません。私は臨床医なので現実的な話をします。間質性肺炎は普通の肺炎ほど炎症性浸潤が強くないので、派手な咳や痰、呼吸困難感を感じにくい事が多いと思います。細菌性肺炎は症状が派手なので誰がどう見てもすぐ疑われやすいのです。
しかし、救命を考え、間質性肺炎をあまり重症化しないうちに対応するためには、上記の「倦怠感」「食欲不振」程度の軽症の症状のうちに発見したいのです。出てきたらすぐに相談して欲しいのです。低酸素になると人間はかったるくなります。胃粘膜が低酸素になると胃の機能が低下するので食欲不振が起こります。間質性肺炎の急性気の症状は倦怠感や食欲不振なのです。
当院で上気道感染症後にリウマチ肺に罹患する人は多くが男性です。ほぼ100%喫煙者です。なので、当院では初診時以外にも、最低年1回以上撮影をしております。その際派手な間質性肺炎が見つかる事はあまり有りません。男性を中心にかなり高確率で肺気腫が見つかります。女性でも見つかる事が多く、関節リウマチと喫煙との因果関係の深さを実感する所です。
リウマチ肺で急変する方の多くが既に間質性肺炎も持っている人だけでなく、元々は間質性肺炎が無くても、喫煙歴がある、喫煙している人も高確率で急変するのです。
間質性肺炎は一定以上増悪している場合は死亡リスクが高くなります。なので、私が「入院が必要です。」と説明した際は、ちゃんと従ってください。そうでないと、私も、当院のスタッフも、ひいてはご家族も泣いてしまいます。
ということで、患者さん方は風邪を引いたら、すぐに風邪を治す事、治った後も体調をきにして生活して欲しいのです。宜しくね!
以上です
院長でした。