〒411-0821 静岡県三島市平田185-31
最近色々思う事が多い。今日もレセプト中なのに、考える事が多くて、手に付かない。
さて。昨日仲良くしている薬局のベテラン経営者と話をした。私より人生を一回り以上生きている、人生のお手本のようなおば様だ。
「先生って、厳しいのよ!」
うーん、貴女がそれをいうか、とも思ったが、確かに、厳しいという表現は多方面から貰う。
順天堂外来からずっと通院してくれる高齢女性の患者さんの息子さんが、とある患者さんに『いのうえ内科の先生はずごく腕がいい先生だけど、厳しいから。貴女は合わないと思うよ。』と言われたとか。実際はそろそろ1年になりますが、通院されています。可愛いおばあちゃんです。後でその情報発信者をとっちめました(笑)
ある日宴会に行く時に偶然乗ったタクシーの運転手さん。『先生はコロナワクチンを反対されているのですか?』の質問からの『よく利用するお客さんが、いつも言っていますよ。あの先生は厳しい。だけど、ちゃんと診察してくれるから信頼している。そういつも聞いているよ。信頼しているよ。』
開業して3年目辺りから事務員集めで苦労しました。当時会計事務所から『先生が厳しいのでは?』とも言われた。反省もした。最近では多少のミスでも、5回目までは目を瞑る事が出来る。両手で数え切れなくなってから紙に興してカウンターに置いている。また、誰も叱らなくて済むような工夫もしている。今の事務チームは付き合いが浅いので、観察が浅いよ!と言われるかもしれないが、今の事務員たちは本当にいい子たちばかりだと思っている。
看護師は叱れる。当院が本当に恵まれているのは彼女達のお陰だと思う。開業初年からずっと支えてくれる看護師さんがいてくれるお陰て、看護師の募集で苦労した記憶があまりない。本気で叱る事だって出来る。本気で叱っても、彼女たちは私を支えてくれる。そんな彼女達だが、かなり優秀なので、正直叱る余地は余りない。
私が開業をするために東京から戻って来た頃、MTXを普通に処方し、ビクビクしないで生物学的製剤を投薬する施設は順天堂大学附属病院だけでした。沼津三島間には整形外科系開業医に通院し、MTXすらまともに処方管理されない方で溢れていました。開業し、生物学的製剤を処方するとパニックを起こして逃げてしまう方が多かった。現在でも理解できなくて、逃げる人がいる。販売されたのは20年近く前なのに、あれから安全性に関する市販後調査、文献は沢山でているのに、説明パンフレットには20年前のまま。あれでは患者さんはドン引きするでしょう。困った事に説明が難しいから聞いていない人が多数。それでは治療管理出来ないから説明をするのだが、怖いと言われる。伊東市の方のベテラン部長に質問をすると、「どうせばあさん達に説明しても判らないし、理解されないから『貴女はこれを飲まないといけないんだよ。』といって押し切っている。」と言っていた。その先生も一癖あると陰口を叩かれているが、この地方の人達の温さを考えると、そういう対応となる理由も理解できなくはない。悠長に丁寧に仕事をしたい。でもそれでは商売にならない。それくらい医療点数は年々削られ、人件費は高騰している。
診察室の椅子の位置の微妙さ。一部の患者さんには説明していますが、これには理由があり、椅子の位置を変えて叱られた患者さん達には大きな誤解を与えたかもしれません。あの椅子の位置こそ最大のコロナ対策なのです。
感染症2群時代はちょっとヒステリックだったかな。マスコミに煽られてパニックになった患者さん達が多くて、ワクチンを打ちたいと言い、『打つな』と叱られた患者さんが沢山いました。本当にごめんなさん。実際はワクチンの出来そのものがいい加減だったので、想像していたよりお亡くなりになる人が少なかった気がしますが、接種率が高い時代はしょっちゅう誰かが亡くなったという話を聞いたものです。ノババックスなんて打たせなければ、という後悔もあります。医師会から流れてくる情報すら当てにならず、反対論文が出てもすぐに淘汰される時代に自分で情報を集めて論文も読んで、人がやるという事をやらないと断言し、患者に指導してブーイングを受けるのは結構辛いものです。でも、必要だからやるのです。
叱られた人の胸には私の怒った顔がずっと残りますよね。叱られると数日間胃が重くなるのは理屈ではないですしね。トラウマになった方はすいませんでした。
院長