今年1年間を振り返り
今年は新型コロナワクチンが始まり、当科がリウマチ・膠原病を扱う診療科で有ることもあり、大変な1年でした。ワクチン接種がなぜ駄目か説明しても理解して貰えず、わざと接種してしまう高齢患者さんも多数いらっしゃいました。しかし、その中から『抽選』で膠原病の具合が悪くなる方が出ており、その急変の仕方が通常では考えにくい増悪の仕方であること、急変しなくても、採血をすると炎症反応が高値であったり、急変とまで言わなくても増悪している方が多く、治療強化や外来での説明に多くの時間と手間を割き、バタバタする時間が多い一年だったと思います。
その一方で、関東圏の膠原病患者さんから、新型コロナワクチンに関する問い合わせが来たり、「先生と一度話をしたい。」という申し出が多数ございましたが、すべてお断りしました。理由は、私の責務は当院掛かりつけの患者様達の生命を守る事であり、広く『既存の』新型コロナワクチンの不確かさをアピールする事が目的では無いからです。この問題に関しては政府と争う姿勢は全くなく、自分の患者さん達が不幸にならないよう予防策を引いているだけです。院長である私はSNSで発信しておりますが、フォローしている地元の方はあまり多くありません。今年は地元の方からの『友達』申請をすべて拒否しました。よって『SNSを読みました。』といい連絡を取りたがる地元の方達も対応も致しませんので、ご了承下さい。
当院は今月30日から来年6日まで年末年始対応となります。その間患者様方にご迷惑をお掛けすると思いますが、昨年遭ったトラブルについて説明します。
当院での治療は外来診療となります。免疫抑制の強い、過度な治療を行っておりません。強い免疫抑制の掛かる治療が必要な患者様、肺疾患あるにも拘わらずしっかりと免疫抑制を掛けて治療をしなければならない症例は、入院可能な施設だったり、しっかりとして呼吸器専門医と併診で対応できる施設に送っております。
高齢者で生物学的製剤を使用して関節リウマチを治療している症例も多数御座いますが、いずれもメトトレキサート(商品名 リウマトレックス)の併用が無かったり、あっても少量で、かつバクタ配合錠を併用し最悪の事態に対し予防策を打っていると思われます。リウマチ膠原病に理解のない医療機関で対応して頂いた高齢患者様が、数日高熱が出たため『原因不明の敗血症』と診断され、数日入院後即退院となった例を経験しました。『原因不明の敗血症』とは、私どもは『感染原不明の敗血症』、つまり、過剰な免疫抑制により白血球が減少した事により引き起こされる感染症を指して使用する言葉です。そのような病態になるような危険な治療を、当院では行っておりません。周辺医療機関の先生方も、どうかその旨ご理解下さい。また、患者様方は、平素よりメトトレキサートを処方する前にパンフレットをお渡しし、機会がある度口を酸っぱくして説明しているとおり、食欲のないとき、下痢、脱水している時、発熱をしている時のメトトレキサートの内服を控えて頂きますよう、切にお願い致します。
関節リウマチに合併した悪性リンパ腫、メトトレキサート関連リンパ球増殖性疾の対応ですが、当院ではメトトレキサートや作用機序のよく似たレフルノミド以外の治療薬で治療を行っております。その中には生物学的製剤も含まれております。全国的にはけして珍しい治療方法では御座いません。以前は『メトトレキサート関連』と言われておりましたが、現在は『加齢による影響』『膠原病によるリスク』とも言われているようです。、学会でも提言は出ているものの、意見がまとまっていない為、ガイドラインが完成するには至っていないようです。論文は多数出ております。お困りの方はご相談頂けると幸いです。提言はでておりますので、日本リウマチ学会ガイドラインを検索してください。(リンクを張り付ける事が出来ませんでした。)
以上です。皆様にとって、来年も良い年となりますよう。
2021年12月20日
院長
2021年12月20日