関節リウマチの古今東西
こんにちは院長です。
12月になり、インフルエンザが今年は罹患者が多いそうですね。
もうすぐ流行宣言が国から発令されるそうですよ。皆さん、ワクチン接種はお済でしょうか。
寒くなると、ますます関節がこわばりますよね。
この症状はリウマチなのかしら、そうでないのかしら、という心配をされる女性が多いと思います。
リウマチかそうでないかという心配も大事ですが、まずは手をよく温めてください、冷え性はありますか?
指先の色が変色しているのなら、それはレイノー現象の可能性があります。
さて、関節リウマチは、大昔『リウマチの家族がいる家とは縁談するな』、なんて言われていた病気でした。
古くは達磨大師や、画家のルノワールも関節リウマチでした。
1980年台まで、それこそ痛みを取る治療が中心でした。
しかし、現在は内服薬である抗リウマチ薬、点滴や皮下注射製剤である生物学的製剤など、患者さんの症状やライフスタイルに合わせて治療法を組み合わせることが可能となりました。
たった30年ですが、いい時代になりました。
ただ、治療法が良くなった影響か、関節リウマチとはどのような病気だったか忘れている患者さんが多いな、と思う今日この頃です。
70歳代男女の患者さん達に、『関節リウマチは一生の病気ですか?』という質問され、説明すると、
『えっ、関節リウマチって直る病気ではないんですか?!、もう痛くないから治る病気だと思っていた!』
と驚かれます。驚く患者さんに私は驚きます。
そこで、そんな患者さん達に言いたい。
『いい薬が多くなり、以前と比べて関節リウマチは深刻な病気ではなくなりました。
しかし、治療をきちんと行わなければいずれ再増悪します。
ちょっと前までは国内で生物学的製剤を早期に導入すれば寛解するのでは、とせっせと臨床研究をしておりました。ある程度結果は出そろっており、多くの人はそうはならないというデータが出ております。
その研究で寛解と診断された人たちも、生物学的製剤からフリーになっただけです。
抗リウマチ薬の内服を継続している人たちが大半です。
なので世界的に関節リウマチの治療は高額な生物学的製剤をすぐ使用する前に、
まずは内服薬で十分治療してから生物学的製剤を使用するような動きに移り変わっております。
最近では関節リウマチそのもので入院する人はほとんどおりません。いい時代になりました。』
関節リウマチは一生付き合っていく病気なのです。絶対に忘れないでください。
メトトレキサートは確かに良い薬です。しかし2か月間内服していなければ血中濃度はほぼゼロになります。
副作用には個性があり、専門医でなければ、ただ専門医免許を持っているのではなく、臨床経験が豊富でなければ各副作用について対応は難しいと思います。
当院では生物学的製剤を含め、国内の大学病院で取り扱う抗リウマチ薬の取り扱いに慣れた医師が診療しております。治療方法に悩んでいる人の相談も受け付けております。
自分がリウマチであるかどうか、リウマチであるならば、どのような治療選択があるかお悩みの方は是非お越しください。
当院では感染症にならないように、うまく治療を行う自信があります。
だけど、感染症に罹患した場合、全力で入院ベットを確保致します。
以上、院長でした。
2016年12月3日